4年前、オナニーの呼び方の歴史をテーマ読みもの書けるなぁと構想した当時から

「皮つるみ→せんずり→自慰、自瀆→セルフプレジャー、セクシュアルプレジャー」

といった具合に、オナニー呼称の変遷を素描できると思っていた。

実際に書こうとして、改めて本を読み直す。

日本におけるオナニーの歴史を考える上で、絶対に外せない書籍、木本至『オナニーと日本人』を読んでいると以下の文章にでくわした。

「アイヌ語では、「yayokoyki」(yay(自分の)+o(陰部)+koyki(いじめる))」

頭に稲妻が落ちた。

「私が書けると思って素描していた変遷は、複言語主義的な態度を欠いていた・・・!」

オナニーに関する本を読んでいると、大抵「かわつるみ」か「せんずり」という表現が出てくる。

それ自体が興味深くて、「なぜ「かわつるみ」と「せんずり」だけがよく取り上げられるのか?」というクエスチョンを立てて、ひとつの読みものが書ける。書けないけど。

しかしそれは、おそらくだけれど、現在でいうところの「標準語」がまとうような中央集権的な権力がゆえにそうなっているのではないか?と思ったのだ。